こんにちは、PM事業部の櫻井朱美です。
この度の台風被害や25日の大雨によって被害にあわれた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
復旧・復興・住宅支援に全力を尽くして頑張ります!
今回は、台風の影響により開催中止となりました賃貸住宅セミナーで予定していたテーマ。
「民法改正」について、特にオーナー様に重要と思われる項目についてご説明します。
1、賃借人の修繕権
今後このような事例が想定されます。
Q. 新しい民法では、 賃借人に 『修繕権』 (※1) があると聞きました。 実務上気を付けるべき点は?
A. 任意規定なので、 賃貸借契約でどんな場合に賃借人が修繕できるのかを決めておいた方がよいでしょう。
※1 『修繕権』借主が自ら修繕を行う権利
~ 改正内容 ~
①どんなトラブルが予想されるか
◆新しい民法では、①賃貸人が必要な修繕をせず、②緊急の場合は賃借人が賃貸不動産を修繕できます。
◆ただ、『賃借人が修繕できる』ことになると、①そもそも修繕が必要なのか、②修繕の範囲や内容は妥当か等に
ついて貸主・借主の間で修繕代金の負担で争いになることが予想できます。
②トラブルの防止のためには
◆賃貸借契約で以下のような点を予め定めておくべきでしょう。
☑どんな場合に賃借人が修繕権を行使できるか(行使条件)
☑修繕がどこまで認められるか修繕の範囲:例、 小修繕に限定する、 増改築禁止など)
☑「事前の見積を提示」、 「事前の通知」、 「事前の書面による承諾」などをどうするか
2、一部滅失の場合の賃料減額
今後このような事例が想定されます。
Q. 「雨漏りで 2Kの部屋の一室が使えないので、 修理が済むまで賃料は半分しか支払わない」 と言われました。
A. 新しい民法では、貸室の一部が使えなくなった場合、 その分「当然に」賃料が減額されることになりました。
ただし、「使えなくなったこと」が賃借人のせいではないことを、 賃借人が証明する必要があります。
~ 改正内容 ~
①賃料が当然に減額されてしまう。
◆これまでは、使用不能となった部屋があっても、借主は貸主へ賃料の減額を請求できるだけでしたが、 これから
は当然に賃料が減額されることになりました。
◆当然減額となる条件は、①貸室が一部使えなくなった ②使えなくなったことが賃借人のせいではない場合です。
この場合、使用不能になった部分に相当する賃料が当然減額されることになります。
②これから気を付けるポイント
新しい民法の下では、不動産の管理をする会社としては、『修繕依頼が来たら、 できるだけ早く修理をしたほうがよい』
ということになります。ただしどんな故障でも賃料が減額されるわけではありません。貸室の一部が使えなくなったとしても、
賃料の当然減額を主張する賃借人は、『その原因が賃借人のせいではないこと』を証明する必要があるのです。たとえば、
「雨漏れが生じたのはサッシのシーリングが劣化したからで、賃借人の使用が原因ではないこと」などを証明することになります。
今回は、賃貸借契約に関するポイントをいくつかご紹介しました。賃貸住宅経営に非常に
大きな影響を与える法改正になりますので、しっかりとポイントを把握し、準備を進めましょう。
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